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キュウリ美味しいね。

探偵モノ以外で好きなドラマ紹介

  突然だが、私はこう見えて(?)ミーハーなので 昔からドラマをよく観ている方だ。過去の記事で書いた通り、刑事ドラマ・探偵モノはもちろん好きだが、そうでなくても毎クール何かしら1作品は観ていると思う。

 しかし意外にもドラマの話を友人とするという経験はあまりない。親しくなる人は大抵ドラマよりもアニメやゲームの方が好きで、また海外ドラマ好きという人は周りにもいたが、日本のドラマの話で同年代と盛り上がったことは殆どない。

 今は辛うじて職場のオバチャン達が「昨日このドラマを見た」などと話しているが、いかんせん私がオタク気質のため、私の好きなドラマの話題であっても満足できるほど語ることはできていない。私はオタクあるある川柳「聞いてない 誰もそこまで 聞いてない」を心にとめて気を付けているつもりだ。

 ということで、今回は探偵モノ(毎回殺人事件等が起こり主人公が解決するタイプの作品)以外で好きな作品を幾つか紹介したいと思う。一応初めに書いておくが、相変わらず独断と偏見の塊なのと、あくまでもミーハーな人間の好みなので 世に知られていない名作を紹介できるわけではないのでその点は悪しからず。また順番には特に意味はないです。

 

 

『ナオミとカナコ』(2016年)

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 バリキャリ外商の小田直美(広末涼子)と専業主婦の服部加奈子内田有紀)は学生時代からの親友。加奈子はエリート銀行員の達郎(佐藤隆太)と結婚し、一見誰もが羨む幸せな生活をしているが、家の中では夫から酷いDVを受けている。離婚を勧めるも報復を恐れて 我慢を続けやつれていく加奈子を見て直美は言う。「いっそ2人で殺そうか。あんたの旦那」

 

 探偵モノ以外と題しながら、サスペンス・ミステリ系の作品ですみません。しかし正直これは雰囲気重たいし絶対見たらイライラする!と思って初めは見るつもりがなかった。たまたま当時帰宅したら放送していたので何回か見るうちに気が付けば自ら録画予約するようになっていた。

 殺人を犯してでも親友を救いたいという熱い友情と大胆な殺人計画が好き。しかしどんなに綿密に思えた計画にも綻びがあり、予定外の出来事に毎回ヒヤヒヤし、加奈子や協力者たちの凡ミスにはイライラしてしまう。執念深い達郎の姉・陽子(吉田羊)との攻防戦には特にハラハラさせられる。放送当時この陽子というヒール役は視聴者から相当嫌われており 私もその内の一人だったのだが、そうまで思わせる吉田羊の怪演は見事で、私はこれで彼女のファンになった。
 計画の鍵となる中国食品の輸入会社を経営する李さん(高畑淳子)、達郎と瓜二つの外見だが性格は正反対の心優しい中国人不法滞在者・林さん(佐藤隆太)との関係も見どころ。

 関係ないけど、確か放送当時 渡辺直美柳原可奈子が「ナオミとカナコ」というコメントと共に2ショットを上げていたのが印象に残っている。

 

 

『僕のヤバイ妻』(2016年)

僕のヤバイ妻 DVD-BOX


 主人公・望月幸平(伊藤英明)は資産家の娘である妻・真理亜(木村佳乃)の財産でカフェを経営しているが、真理亜との夫婦生活に嫌気が差し、愛人の北里杏南(相武紗季)と共に真理亜の殺害を企てる。真理亜に盛るための毒物を用意して帰宅すると、彼女は何者かに誘拐されていて――

 人気作品なので見ていた人・知っている人も多いと思う。誘拐事件をきっかけに明らかになっていく貞淑な妻・真理亜の恐ろしいウラの顔と、巨額の財産に群がる人々の秘密が暴かれていくのが面白い。

 私は『相棒』の片山雛子をはじめ、木村佳乃が演じる「頭が良くて裏で支配するタイプの悪女」が大好きなのだが、この作品の真理亜もまさにそういう”ヤバイ”キャラクターで、張り巡らされた彼女の罠には毎回惚れ惚れしてしまう。

 真理亜だけでなく、誘拐事件を追う刑事・相馬(佐藤隆太)(また佐藤隆太!)、金に汚い幸平の義兄・横路(宮迫博之)、ご近所のラブラブ年の差夫婦・鯨井有希(キムラ緑子)&和樹(高橋一生)、謎のバーのマスター木暮(佐々木蔵之介)……と、怪しいキャラクターが盛りだくさん。余談だがこれで高橋一生にハマった人急増したんじゃないかと思う。今ではもう見られない宮迫の小者感溢れる(褒めてる)演技も好き。内容の割に大衆向け作品なので気軽に見られると思う。いわゆる「どんでん返しのラスト」が好きな人にオススメ。

 

  

『火の粉』(2016年)

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 梶村雪見(優香)は夫と5歳の娘、夫の両親・祖母の6人で都内の閑静な住宅地で暮らしている。ある日隣に武内(ユースケ・サンタマリア)という男性が引っ越してくる。
 彼はかつて殺人事件の容疑者とされ死刑を求刑されていたが、当時裁判官だった義父・勲(伊武雅刀)による判決で逆転無罪を勝ち取ったという過去を持つ。そのため武内は勲に大変な恩義を感じており、介護の手伝いをしたり料理を振舞ったりと勲のみならず梶村家の人々のために親切をはたらく。梶村家の人々が武内を「良い人」と褒めたたえる一方で、雪見だけは彼の行き過ぎた優しさに不気味さを覚えるように。
 そんなとき記者を名乗る男(佐藤隆太)が現れ「武内は実は殺人犯だ」と雪見に告げ――

 

 またまた佐藤隆太!!はさておき、ユースケ・サンタマリア(が演じる役)は 私の中で「基本的には良い人なんだけど、なんか空気が読めなくて、でも悪気はないから憎めない・憎んではいけない人」というイメージなのだが、それを突き詰めたらこういうサイコパス的な人物になるのではないかと思っている。原作は未読だが、ユースケ・サンタマリアは適役だと思う。

 また余談も余談だが、私と妹(放送当時一緒にこのドラマを見ていた)は、雪見の夫役・大倉孝二に「妻が自分の母親と揉めていたらめんどくさそうに『母さんのことも考えてやってくれよ~』とか言いそう」「モラ夫っぽい」というド偏見があるのだが、たぶんこのイメージがついた一番の原因はこの役。

 徐々に武内に支配されていく家庭と、にもかかわらず武内を警戒する雪見が家族から悪者扱いされていく様がもう辛くて見ていられない(最後まで見ました)。武内という狂気を孕んだ人間とそれに狂わされる人々。あなたの隣人ももしかしたら……?そんなジワジワくる恐怖を楽しみたい方にオススメ。

 

  

『マネーの天使~あなたのお金、取り戻します!~』(2016年)

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 失業中の竹内茂(小藪千豊)は真面目でお人好しだが、その性格故に損ばかりしている。以前勤めていた工場の社長に未払いの給料を支払うよう頼むも突っぱねられ、弁護士に相談するも 少額の案件は取り合ってもらえない。
 困り果てたところ、突然見知らぬ女子高生に声をかけられ強引に近くのメキシコ料理店「アンヘラ」に連れていかれる。店に入ると店長の栗原理佐(片瀬那奈)が出迎え、無料で金銭トラブルの相談に乗ってくれると言う。それを聞いて喜ぶ茂だが、よくよく聞けば理佐は無資格・現在勉強中のただの素人で――

 

 コメディ系のちょっとタメになるドラマ。基本的にはオムニバス形式で、毎回様々な金銭トラブルを抱える依頼人がやってくる。内容は友人間のお金の貸し借り、婚活サイトで知り合った人に貢がされた、高額エステに騙された……などなど実際に自分も被害に遭うかもしれない身近なものばかり。
 私は法律には詳しくないのでどこまで正しいのかは分からないけれど(さすがに実際の法律ではアリエナイなんてことはないだろう)、きちんと法律を使って比較的平和に解決するのでドラマとしても安心して見られる。個人的に第4話のセレブママ友会の話のオチが好き。

 主演の小藪は、普段バラエティ番組などで観ていると 大柄でひねくれ者で、どちらかというとちょっと怖そうな印象だけど、お人好しで気の小さい茂役もよく似合っていた。またこの頃はまだあまり知名度が高くなかった葵わかな演じるクールで法律に詳しい菅原円をはじめ、バイトの女子高生たちがとてもいい味を出していると思っている。

 雰囲気的には『新・ミナミの帝王』を更にライトにしたイメージ。ちなみにこの千原ジュニアver.萬田銀次郎も賛否両論あるが私は好きなので観てほしい。

 

  

『家売るオンナ』(2016年)・『家売るオンナの逆襲』(2019年)

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 テーコー不動産新宿営業所に 夢のように美しく鬼のように恐ろしい女がやってきた。彼女こそ、営業成績トップを走り続ける敏腕不動産屋・三軒家万智(北川景子)。あだ名はサンチー(”三軒家チーフ”の略)。口癖は「私に売れない家はない!」の自信家で、自分にも目上にも目下にも超絶ストイック、目をかっぴらき、壊れるんじゃないかという勢いでキーボードを叩き、見事な洞察力と奇抜なアイディアで一癖も二癖もある物件や売主・買主を捌いていく……!

 

 昨年第2シーズンが放送され、何度かSPドラマも放送されている人気作品。北川景子のことは昔から結構好きだったのだけれど、彼女が出演する映画やドラマは観たことも観ようと思ったこともなかったし、観てもあまり印象に残らなかったのだが(彼女の演技が悪いとかではなく、単に彼女が出演する作品は大体私が興味のないジャンルだったため)、この作品でのギャグ演技・演出が思っていた以上に良くてハマってしまった。美しくデキる女 三軒家万智に憧れて不動産業界もいいかも!なんて思う就活生が増えたとか増えなかったとか。

 彼女に振り回される新宿営業所の人々も魅力的。「サンチーの犬」もとい「三軒家チルドレン」の若手営業マン庭野聖司(工藤阿須加)、アイドル並みのルックスを武器に営業成績トップを誇るも万智に抜かされ彼女をライバル視する足立聡(千葉雄大)、万智の営業成績を認めつつもコンプライアンスや組織としてのまとまりが失われつつあることに悩む課長・屋代大(仲村トオル)、不真面目でサボってばかり、足立と結婚することしか考えておらず、厳しい万智を毛嫌いしている営業成績万年最下位の白洲美加(イモトアヤコ)……などなど。万智との出会いをきっかけに変わっていく彼らにも目が離せない。

 
内容はオムニバス形式で、引きこもり息子の存在を隠して住み替えを依頼する老夫婦(1期 第2話)や ミニマリスト彼氏VS汚部屋彼女(1期 第3話)、孤独死を恐れる老女とネットカフェ難民(2期 第2話)、お互い承知の上で不倫を楽しむ美容師夫婦(2期 第6話)、時短勤務ママVS子無し既婚キャリアウーマン(2期 第7話)など、実際の社会問題や多様性をテーマにした話が多い(2期は特に)。

 実は(?)私の実家は不動産屋なのだが、父曰く「ギャグドラマだけど意外とリアル」とのこと。ここまで極端ではないし、ドラマのように円満解決するとは限らないけれど、家という誰もが密接に関わるものを題材にしている以上、自分のことのように考えさせられる良ドラマ。

 

  

重版出来!』(2016年)

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 幼い頃から柔道一筋、オリンピック強化選手にまで選ばれた主人公・黒沢心(黒木華)は、怪我が原因で選手生命を絶たれ一般企業に就職することに。柔道漫画に魅了されたことがきっかけで柔道に打ち込むようになった経験から 大手出版社・興都館の就職試験を受け 見事週刊コミック誌「バイブス」編集部に配属されるが――

 

 こちらもいわゆる職業モノ。漫画編集者が主人公のドラマって今まであんまりなかったような気がする。(私が見た作品では『ヒミツの花園』という釈由美子主演のドラマも一応そうだが、これは仕事と言うより恋愛がメインなのでノーカン。ちなみにこのドラマはただただ温厚な堺雅人が良い)

 こうした職業モノでは(自分が社会人になって余計に)精神論だけで押し通そうとする主人公や、なおかつそれが受け入れられる展開には「それで上手くいったら苦労しないよ」などと思ってしまい楽しめないことも多いのだが、黒木華が演じる黒沢心はスポ根漫画の主人公のような嫌味のない性格で素直に応援したくなる。また登場人物に「完全な悪役」がいないのもよりリアルさを増していると思う。
 原作は未読だが、年配役は勿論、若い役にもルックスや知名度・話題性ではなく演技力やその役のイメージに合った役者をキャスティングしている印象を受けた。(売れっ子漫画家・高畑の恋人役だけはもっと適した人いたのでは……と思うけど。ファンの方すみません)

 子供の頃一瞬だけど漫画家になりたいと思っていたこともあるし、大人になってからはこういう編集者の仕事にも興味はあったが、リアル寄りとはいえ比較的良いところだけを描写しているであろうドラマを見るだけでも私には向いていないなと思う。どんな作品も漫画家と編集者そして営業担当の多大なる苦労が積み重なって世に出ているんだなと改めて実感する。そりゃヒット=重版出来すれば嬉しいよね。ちなみに作中作の漫画も実際にプロの漫画家が作画を担当しており、普通に面白そう。

 Amazon primeのコメントでは「素晴らしい作品なのに低視聴率だった」との意見が多いが、放送当時確か裏が上記の『僕のヤバイ妻』で、そちらに人気を取られていたような気がする。かく言う私もそちらを観ていたが、放送当時ゼミの教授がこのドラマを褒めていたことを思い出し、一気観してしまった。漫画好きにはぜひ観てほしい作品。

 

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 こう書いてみて分かるのは 本当に偶然だが2016年の作品ばかりで、私にとって2016年はかなりの豊作だったということと、佐藤隆太は思いの外色んな作品に出ているということ。そして探偵モノ以外と言いながら半分はやっぱりミステリ系になってしまう……すみません笑

 今回はこれくらいだが、今ぱっと思い出せないだけで「これ入れるの忘れてた!」という作品が他にも絶対あるはずなので その時は順次追加していく。またこの作品も面白いよという情報があればぜひ教えてください。

 

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